2013年9月18日 (水) 12:05
イエテボリ大学歯周病科の研究の大きな特色は、実験レベルの論文のリサーチ能力とその評価、査読の力にあると思います。
他の大学の論文とは格段に違うその正確な根拠に基づいた結論は臨床家である私たちにとっても治療の大切な基準となるものです。
歯科医療にも治療方法には技術や材料の進歩に伴い「流行」があります。しかし、その流行りは長続きしないものも多く、材料などは世の中から消えてなくなるものも多数あるのです。
インプラントでさえ、一時その種のものが流行ったかと思うと市場から消えたり、メーカーすらなくなってしまい修理することすらできなくなるものもあるのです。
私たち臨床医は常に最新の治療を学び、患者さんに良質な医療を提供できるように努力していますが、こうした流行に流されることで、後々大変なことになるのは患者さんなのです。
治療のエビデンス(根拠)はこのような意味からも非常に大切なもので、多くの実験論文からその治療方法や材料の経過や特性を吟味し、選択するのに重要なものです。
多くの場合、メーカー主導で宣伝、広告があり、それにつられて治療方法や材料を導入してしまうのが一般的な歯科医院の現状でしょうか・・・。
長く、良好な治療経過を持続するためには「流行」に乗ってしまうことはあまりにも危険で決して患者さんの利益にはならないと思います。
私がリンデ先生の講演を聴くのも、イエテボリに行くのも自分の臨床の「確認」のためです。
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